「全く勉強してないから、今日のテスト悪い点取るかもしれない」
「仕事でミスが多いのはタスク量が多いせいだから、仕方がないよね」
このように、できない理由ばかりを探してしまう人の心理のことを「セルフ・ハンディキャッピング」と呼びます。
本記事では、心理学用語であるセルフ・ハンディキャッピングの意味や原因と克服方法までご紹介します。
この記事で分かること
- セルフ・ハンディキャッピングの意味
- セルフ・ハンディキャッピングの原因
- セルフ・ハンディキャッピングの克服方法
セルフ・ハンディキャッピングとは、自我を守るための防衛機制の一つ

セルフ・ハンディキャッピングを簡単にいうと「あらかじめ言い訳を用意する」ことです。
セルフ・ハンディキャッピング(英語: Self-handicapping)とは、自分の失敗を外的条件に求め、成功を内的条件に求めるための機会を増すような、行動や行為の選択のことを指す概念。エドワード・E・ジョーンズ(英語版)らによって提唱された。自分自身にハンディキャップを付けること、という意味である。
引用:wikipedia
セルフ・ハンディキャッピングは自我を守るための防衛機制の一つと言われています。
あらかじめ言い訳を用意することで、失敗しても成功しても自分にとって都合の良い状況を作り出し、自尊心を満たすことができるためです。
またセルフ・ハンディキャッピングには、以下の2つの種類があります。
- 獲得的
- 主張的
獲得的セルフ・ハンディキャッピング
自分からハンディキャップを作り出すことを獲得的セルフ・ハンディキャッピングと呼びます。
例えば、テスト前日にスマホゲームをやったり漫画を読んだりすることは、獲得的セルフ・ハンディキャッピングです。
自らハンディキャップを作ることで、失敗したときに「テスト前日にスマホゲームをやっていたから仕方がない」とショックを和らげることができます。
また、仮に成功したときに「テスト前日にスマホゲームをやっていたのに高得点取れた」と自尊心を満たすことができるのです。
主張的セルフ・ハンディキャッピング
自分にはハンディキャップがあると主張することを主張的セルフ・ハンディキャッピングと呼びます。
例えば、営業の仕事で訪問当日に「今日は体調が悪いです」「準備あまりできていません」のように、自分から言い訳を主張することが主張的セルフ・ハンディキャッピングです。
あらかじめ言い訳を伝えておくことで、失敗したときに自尊心が傷つくことを防ぎ、また成功したときは「準備をしていないのに成功して凄い」と周りからの評価を上げることができます。
セルフ・ハンディキャッピングはデメリットが多い

ここまでお読みになられた方の中には「えっ、セルフ・ハンディキャッピングってメリットの方が多そうじゃない?」と思いになられているかもしれません。
たしかにセルフ・ハンディキャッピングにはメリットもあります。
ただ、実はメリットよりもデメリットの方が多いのです。
セルフ・ハンディキャッピングの主なデメリットは3つあります。
セルフ・ハンディキャッピングのデメリット
- 挑戦ができなくなる
- 努力をしなくなる
- チャンスを逃す
例えばビジネスマンの場合、仕事でセルフ・ハンディキャッピングを繰り返していると挑戦や努力することがなくなり、同期との差が広がってしまいます。
また挑戦や努力をしない結果、千載一遇の仕事のチャンスも逃してしまいかねません。
セルフ・ハンディキャッピングの主な原因は3つある

セルフ・ハンディキャッピングを克服するためには、まず原因を知ることが重要です。
主な原因である以下3つをご紹介していきます。
セルフ・ハンディキャッピングの主な原因
- プライドが高い
- コンフォートゾーンから抜け出せていない
- 自分に自信がない
プライドが高い
プライドが高い人は、セルフ・ハンディキャッピングを行う傾向が多いです。
「自分の評価を下げたくない」「格好悪い自分を見られたくない」という心理が働き、何をするにしても言い訳を多用してしまいます。
コンフォートゾーンから抜け出せていない
コンフォートゾーンとは、「居心地のいい場所」という意味です。
このコンフォートゾーンに居続けると、現状維持に満足してしまい、新しい挑戦をしなくなります。
結果として「現状維持でいいや」という気持ちが強まり、弱気な姿勢になってしまうので、言い訳を多用してしまうのです。
またコンフォートゾーンから抜け出せない理由の一つとして、「基本的に人の脳は、変化を嫌がる」が挙げられます。
ご興味のある方は以下の記事をご覧ください。
自分に自信がない
自分に自信を持てない人は、セルフ・ハンディキャッピングを行いやすくなります。
「自分が〇〇をできるはずがない」「失敗して、また怒られるのが怖い」のような心理が働くためです。
失敗体験が多く、成功体験が少ないと自信を無くしてしまいますので、ちょっとした成功体験でもいいので積み重ねることが大切になります。
セルフ・ハンディキャッピングの克服方法

セルフ・ハンディキャッピングの克服方法は以下の3つがあります。
セルフ・ハンディキャッピングの克服方法
- 意識的に第三者の意見を求める
- 「自分ならできる」と先に宣言をする
- 失敗したときは「なぜ失敗したのか?」を追求する
意識的に第三者の意見を求める
何かをしたり、何かを決断したりするときは「意識的に第三者の意見を求める」ようにしましょう。
セルフ・ハンディキャッピングがマイナスの働きをしているとき、自分で気づくことは難しいです。
信用できる第三者の意見を求めることで客観的に自分を見ることができ、セルフ・ハンディキャッピングに陥っていたことに気づくことができます。
「自分ならできる」と先に宣言をする
何かをやるときに「自分ならできる」と先に宣言しましょう。
例えば、学校のテストなら「今回のテストで90点以上出します」のように自分や周りに対して宣言することで、セルフ・ハンディキャッピングを無理やり克服できます。
もちろん宣言することで逃げ場がなくなるため、リスクも多いです。
ビックマウスと言われてしまう可能性もあります。
しかし、言い訳や逃げ道を作っていては、いつまで経っても自分を変えられません。
最初は小さなことからでもいいので、先に宣言する癖をつけるのが重要です。
失敗したときは「なぜ失敗したのか?」を追求する
失敗したときは、自分を責めすぎないようにしましょう。
「なぜ失敗したのか?」を追求して、今後も同じ失敗をしないための対応策を考える方が重要です。
自分を責めすぎると自信がなくなってしまい、セルフ・ハンディキャッピングを行いやすくなります。
まとめ
セルフ・ハンディキャッピングをまとめると以下になります。
- 簡単にいうと「あらかじめ言い訳を用意する」こと
- 自我を守るための防衛機制の一つ
- メリットよりデメリットの方が多い
- 克服した方が人生を好転させやすくなる

予防線として言い訳を多用してしまう人は多いです。
今後、言い訳してしまいそうになったとき、本記事でご紹介したことを思い出してもらえると幸いです。
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