【使い過ぎ危険】営業が上手くいくローボール・テクニックとは?

ローボール・テクニックとは? 心理学

毎月、営業目標を達成できなくて、悩まれていませんか?
そんな営業マンのために、取引相手との交渉が上手くいく強力な心理テクニック「ローボール・テクニック」をご紹介します。

ローボール・テクニックとは、「最初に受け入れやすい好条件の提示を行い、相手が承諾した後、その好条件を取り消したり、不利な条件を提示したりする」手法のことです。

それでは、ローボール・テクニックについて詳しく見ていきましょう。

この記事で分かること

  • ローボール・テクニックとは何か
  • ローボール・テクニックの使い方
  • ローボール・テクニックの事例
スポンサーリンク

ビジネス営業で活用できるローボール・テクニックとは?

ビジネスマン

前述したようにローボール・テクニック(low ball technique)とは「最初に好条件を提示し、相手が承諾後に、その好条件を取り消したり、不利な条件を提示する」手法のことです。

「いきなり投げられたらキャッチできないような高いボール(不利な条件)でも、低いボール(好条件)から徐々に上げていけば、キャッチできるようになる」ということが名称の由来です。

日本語では「特典除去法」や「承諾先取要請法」とも呼ばれています。

ローボール・テクニックの使い方の流れ

ローボール・テクニックの使い方は主に2パターンあり、流れは以下の通りです。

好条件→承諾→好条件を取り消すパターン

  1. 最初に好条件を提示する
  2. 好条件を承諾してもらう
  3. 最初の好条件を取り消す

不利な条件を隠す→承諾→不利な条件を付け加えるパターン

  1. 不利な条件を隠して条件を提示する
  2. 条件を承諾してもらう
  3. 承諾後に隠していた不利な条件を付け加える

例えば、飛び込み営業や電話営業で「5分だけお時間いただけないでしょうか?」と言うと話を聞いてもらえる確率が上がります

これはローボール・テクニックの「好条件→承諾→好条件を取り消すパターン」が使われているからなんです。
時間をかけないというハードルの低い条件(好条件)を提示することで、承諾されやすくなり、その後営業トークを始めることができます。

ローボール・テクニックを証明した面白い実験

ローボール・テクニックの心理テクニックを証明した面白い実験があります。
アメリカの心理学者ロバート・B・チャルディーニ氏が行った実験です。

【実験内容】
大学の学生に朝7時に研究室に来てもらうために、以下A、Bのパターンで依頼した場合、それぞれの承諾率に違いが出るのかどうか。

A:「明日の朝7時に研究室に来てくれないか」と単にお願いする
B:「明日研究室に来てくれないか」と頼んで、承諾後に「その実験は7時からなんだけどいいよね。」と持ち掛ける

【結果】
A:承諾率24%
B:承諾率56%

「不利な条件を隠す→承諾→不利な条件を付け加えるパターン」であるBパターンの方が承諾率が高い結果となりました。

ローボール・テクニックを使うと、「朝7時に研究室にいく」という承諾するのが難しいお願いでも、一度承諾を得た後なら承諾率が上がったのです。
面白い実験ですね。

ローボール・テクニックが有効な理由は、一貫性の原理によるもの

ローボール・テクニックが有効な理由は、「一貫性の原理」という人間が持つ心理が働くからなんです。

人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働く。

引用:wikipedia

一度条件を承諾すると、その行動や発言を一貫させようと、一貫性の原理が働きます。
結果、ローボール・テクニックによって最初に提示された好条件を取り消されても、その後の条件を承諾してしまう確率が上がるのです。

ローボール・テクニックの使い過ぎにはご注意

ここまでローボール・テクニックについてご紹介してきましたが、使い過ぎにはご注意ください

ローボール・テクニックは、交渉を有利に進めることができる強力な心理テクニックです。
しかし、ローボール・テクニックを使われた相手は「騙された」と感じ取ってしまう可能性があります。

ローボール・テクニックを使いすぎると信頼を失う恐れもあるため、「諸刃の剣」であるということを肝に銘じてください

ローボール・テクニックを使う場合、「お伝えするのを失念しておりました」のように謝罪を入れてから好条件を取り消したり、不利な条件を付け加えたりしましょう。


街中に溢れているローボール・テクニックの事例

ローボール・テクニックは、あらゆるところで活用されています。

ローボール・テクニックがどのように使われているのか? を見ていきましょう。

ビジネス営業

営業の商談中

ビジネス営業では以下のようなローボール・テクニックがよく使われています。

  • 最初に安い見積書を出し、承諾後に見積書が間違っていたと伝え、高い見積書を出す。
  • 最初にお得なプランを提示して、承諾後にプラン対象外であったと伝える。

ただ、上記のようなローボール・テクニックは使い過ぎると信頼を失うため、お勧めはできません…。

不動産賃貸業

不動産賃貸業界ではローボール・テクニックが非常によく使われています。

存在しない好物件をサイトに掲載して、ローボール・テクニックの好条件として活用していることが多いんです。

好物件目当てで来店したお客様に対しては、「好物件は埋まってしまった」と伝えます。
一度来店してしまったお客様は一貫性の原理が働き、ついつい他の物件まで見てしまい、中には契約までしてしまうかもしれません。

「良い物件が契約できる」という好条件により来店を増やし、最終的にこの好条件を取り消して普通の物件を提案する、という仕組みです。

携帯ショップ

スマートフォン

「携帯電話を格安で契約できる」と謳う携帯ショップは多いです。

実際に申し込みすると「途中解約すると違約金を払わなければいけない」といった、不利な条件を後から提示された経験はありませんでしょうか?
これもローボール・テクニックが使われているんです。

最初に「携帯電話を格安で契約できる」という好条件を提示して、後から不利な条件を付け加えるパターンですね。

広告

セール広告

「業界最安値!」や「50%OFFセール」のような広告をよく見かけるのではないでしょうか?
これもローボール・テクニックが使われています。


広告で「業界最安値!」や「50%OFFセール」のような好条件を提示しますが、実は一部の商品だけということは多いです。
セール品に欲しい商品がなくても、来店してしまったお客様は一貫性の原理が働き、セール対象外の商品まで買ってしまいます。


ローボール・テクニックとフット・イン・ザ・ドアの違い

ローボール・テクニックと似た心理テクニックとして「フット・イン・ザ・ドア」があります。

両テクニックの違いを一言でいうと「後から要求する内容が最初と一緒か、異なるか」です。

  • ローボール・テクニック:最初の要求と、後からの要求は一緒
  • フット・イン・ザ・ドア:最初の要求と、後からの要求は異なる

ローボール・テクニックは最初と後の要求は変わりません。
あくまで要求の条件を承諾後に変えるというテクニックです。
そのため、どうしても相手に不信感を与えてしまい、信頼を失ってしまう可能性があります。

フット・イン・ザ・ドアについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。



まとめ

  • ローボール・テクニックは「要求の条件を承諾後に変えるテクニック」
  • ローボール・テクニックが有効な理由は、一貫性の原理が働くから
  • ローボール・テクニックを使い過ぎると信頼を失う可能性がある




ビジカラス
ビジカラス

ローボール・テクニックは非常に強力な心理テクニックです。
しかし使い方を間違えると、あなたの信頼が一気に失われてしまうかもしれません。

悪意ある使い方や、使い過ぎにはご注意くださいね!


コメント